今回はフランス南部にある「モンペリエ」という都市をご紹介したいと思います。
南仏の都市「モンペリエ」
フランスと言えばやはり北部に位置する首都「パリ」なわけですが、「南仏」という言葉があるくらい南部も有名です。欧米人がバケーションを過ごしに訪れるイメージがありますよね。
今回ご紹介するのはオクシタニー地域圏、エロー県の県庁所在地である「モンペリエ(Montpellier)」なのですが、位置的にはパリのほぼ真南、地中海から10kmくらいの場所にあります。
行き方ですが、パリからTGVで向かうこともできますし、空路の場合は下の地図右端の「モンペリエ メディテラネ空港」を利用することになります。
地図中央の「モンペリエ」と表示されている辺りが街の中心で、そこに鉄道の駅もあります。空港から街の中心部まではバスが出ているのですが、フランス語ができない私にはどうもよくわからず、タクシーを利用したところ20分程度の道のりで45ユーロ(約5,500円)ほどかかりました。楽ではあるのですが、ちょっと高いですね。パリ同様、飲食物等も含め街全体として物価は明らかに高めです。
街の中心部はこんな感じになっています。
地図下部の「Saint-Roch」というのが鉄道の駅で、中央のちょっと右、「Parking Comedy」と書かれている辺りが「コメディー広場」です。この広場が基本的には観光の起点となります。左の方にある「promenade of Peyrou」(ペイルー公園)と書かれている場所にルイ14世の像と凱旋門があります。この地図の範囲であれば徒歩で動ける距離です。
観光で訪れる場合、基本的には街歩きを楽しみつつ、カフェでの飲食を楽しむというのが基本になるかと思います。ですから、徒歩移動がメインになるかとは思いますが、少し離れた場所に移動する際にはトラムが便利です。
4つの線(ライン)があり、ラインによって車体のデザインが異なっています。乗り方に関しては、駅の券売機で切符を購入し、乗車時に車内にある機械にそれを挿入して打印する形になっています。切符には色んな種類があり、「1乗車1.6ユーロ」、「10乗車分10ユーロ」、「1日乗り放題4.3ユーロ」、「1週間(7日間)乗り放題17.1ユーロ」などがあります。乗り放題の切符を利用する際には、最初の乗車時に車内の機械に通せば後はそれはしなくても良いようです。
コメディー広場
街の中心部にあり観光の起点となる「コメディー広場」はこんな感じの場所です。
目印はやはり「3人の女神像」ですね。トラムの駅も隣接していますし、ここにはあの有名なメリーゴーランドもあります。
コメディー広場の周囲にはカフェがたくさんあり、そういった場所に陣取って飲食をしながらのんびりとおしゃべりを楽しむのがフランス人たちのバケーションの楽しみ方です。
なお、「カフェ」と言っても日本の喫茶店よりはレストランに近い存在ですから、普通に食事も楽しむことができます。例えばこんな感じ。
席に着いて注文を済ませ、オリーブをつまみながらビールを楽しんでいると、しばらくしてメインが運ばれてきました。
こういうのを食べながらお酒を飲んで、のんびりと過ごす休日は本当に格別です。
コメディー広場の数百メートル先には「POLYGONE」という名前のショッピングセンターもあります。
このショッピングセンターには飲食店はもちろんのこと、スーパーマーケットも入っていて食料品が色々と比較的安価で手に入るので、ワインやチーズなんかを買い込んでホテルの部屋でゆっくり楽しむのもお勧めです。
ちなみに、このコメディー広場ですが、夜には非常に美しくライトアップされるので必見です。
広場の奥は公園になっているのですが、時期によってはちょっとしたフェスティバルが開催され、様々なショップが並びます。
特に夏季は日中かなり日差しが強いので(もちろん、それを求めて訪れるようなタイプの場所ではあるのですが)、夜間の方が快適に過ごせるかもしれません。
ルイ14世像と凱旋門
コメディー広場から徒歩で簡単に訪れることのできる観光地としては、やはり「ルイ14世像」と「凱旋門」がある「ペイルー公園」が挙げられます。以下、現地で撮ってきた写真を幾つかお見せしたいと思います。
常時可能なのかどうかはちょっとよくわからないのですが、この凱旋門の中には階段があって上に登ることができ、上からの眺望がすごく良かったです。
なお、ルイ14世像の向こう側、凱旋門側ではない方には歴史的建造物として有名な「水道橋」があります。
この辺から眺める街並みがとにかく美しいので、特にフランス好きな日本人女性なんかだとかなりテンションが上がるのではないでしょうか。
まとめ
ということで、今回は南仏の都市モンペリエについてざっと紹介させていただきました。
モンペリエでは、1220年に医学校が成立し、それが1289年にモンペリエ大学として教皇ニコラウス4世の承認を受けたという歴史があり、実は中世からの学園都市としてよく知られている街です。それは現代でも続いていて、アカデミックな落ち着きのある街並みが特長です。
トラムのデザインからもわかるように、フランス的な原色ベースの派手さも垣間見えつつ、品や静けさもあり、個人的にはとても気に入りました。日中、雲一つない晴天の下、カフェで冷たい飲み物をのんびり楽しむ時間は本当に至福のひと時です。普段あくせく働いているような現代人にこそ、そういった時間は必要なのではないでしょうか。
ただ、一つだけあえて書いておきたいこととしては、一人旅に向いている場所ではないということです。バケーションで訪れる人が多い場所ですから、カップルや家族で訪れた方が楽しいですね。やはりフランスやイタリアには本当に女性が合います。
また、みんな自然体でお洒落を楽しんでいますし、この国では真っ赤なワンピースを着ようが決して浮くこともありません。特に社会的な強い同調圧力の下で日々暮らしている日本人にとっては、そういった面でも開放感を感じることができるのではないでしょうか。
アジア人はほとんどいないような場所ですから、若干躊躇する気持ちはあるかもしれませんが、兎にも角にも南仏独特の雰囲気は一度は経験する価値がありますから、皆さんも機会がありましたら訪問を検討されてみてはいかがでしょうか。
それにしても、旅というのは本当に良いものですね。自分の人生というものを客観的に見る視点を与えてくれますし、一度きりの人生をたった今自分は生きているのだと、普段忘れがちな大切なことを気付かせてくれる気がします。