とある飛行機好きの生活向上ブログ

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私が親戚や友人に海外旅行を勧める本当の理由

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私はよく、親戚や友人に海外旅行を勧めるのですが、その理由の一つについて今回は書いてみたいと思います。

 

旅の目的


旅行というのはそもそも現代人のとってはある種のエンターテイメントですから、理由も何も、「単に楽しみに行く」のが一般的だと思います。

 

私だって、プライベート旅行の際には当然楽しめそうな場所、興味のある場所を行き先に選びますし、予算の範囲内で快適そうなフライトやホテルを探します。特にグルメはやはり旅の楽しみの要と言えますから、事前に情報を漁ることも多いです。奮発してまともなレストランで食事をするのも楽しいですし、地元民が普段口にしているような安価なB級グルメを色々と試してみるのも楽しいですよね。

 

そんなわけで、やはり旅行には「娯楽」としての位置付けがなされているわけです。

 

しかしながら、単に娯楽でしかないのなら、「必ずしも必要ではないもの」ということにもなります。ですから私は、これまでは自分の親なんかに海外旅行を勧める際には、「知らない世界を見て見聞を広げることは大事だよ。新しい発見が必ずあるから、ぜひ行っておいでよ。気軽に海外に出られる時代なんだから、行かなきゃ損だよ。」なんて言うことが多かったです。似たようなセリフで親に海外旅行を勧めた経験のある方は決して少なくないのではないでしょうか。

 

最近の私の旅ライフ


そんな旅行ファンの自分ではあるのですが、実はここ数年は仕事があまりにも忙しく、プライベート旅行の機会はほとんどありませんでした。例えば、昨年に関しては一度もプライベート旅行には行けていません。

 

特に一昨年中国に移ってきて以降は仕事上のプレッシャーとストレスがもう尋常ではなく、週末でも普通にメールがバンバン届きますから、そもそも数日間仕事から完全に離れるということが不可能でした。いや、「でした」というのは間違いで、それが今でも続いています。

 

ただ、そんな中にあっても何回か外国に出張に行く機会があり、正直それに本当に救われました。もちろん出張ということで、仕事をしに行くわけですからほとんど自由はありません。現地では基本的に会議の連続ですし、私は英語が下手くそですから、プレゼンの際には強烈なプレッシャーで胃が痛くなります。そんなしんどい出張ではあるのですが、それでも私には価値があったのです。

 

エスケープ


あくまで出張ではあっても、普段の生活圏から遠く離れた場所に移動ができるわけで、このことには個人的には非常に大きな意味があったのです。

 

日本ではたまに「過労死」が話題になるわけですが、その度に、「そこまで追い詰められる前に早めに逃げれば良かったのに、、、」なんて声が聞こえてきます。言わんとすることはわかるのですが、実際に過労の経験がある者でないとなかなかそういった極限状態というのは理解できない気がします。働き過ぎというか、自分のキャパシティを超えた労働が続くと頭がおかしくなってしまうんです。周りの空気に押し潰されるような閉塞感を感じ始めて、何と言うか、本当にぶっ飛びそうになるんです。ですから、私はたまにではありますが、出張によって物理的に逃げられたことで、これまでだいぶ助けられたなと思っています。

 

これはあくまで一つの例でしかないわけですが、仕事以外のシーンに目を向けても、普段の生活において閉塞感を感じている人というのは現代の日本では案外多いのではないでしょうか?

 

長年継承されてきた「普通」がことごとく崩壊し、インターネットと言うか、SNSの台頭などによって人と人との間の距離もグチャグチャになってしまいました。拘束時間ばかり長くてろくに稼げないような仕事もすごく増えた気がします。急速な格差拡大の結果、もはや誰も格差について言及しないほどそれが当たり前の世の中になってしまいました。

 

人間というのは、同じことを繰り返していくうちに自ずと自分自身にとっての「世界」が定義されてしまい、その世界の中だけで生きるようになってしまいます。そして、その境界を乗り越えるための極めて限られた方法の一つが海外旅行であると私は考えているのです。

 

強烈なストレスに晒されている人や、日々の生活に息が詰まりそうになっている人こそなるべく遠方に旅をすべきです。世界遺産がどうとか、グルメがどうとか、そんなことはどうでもいいんです。日数も短くていい。弾丸旅行で十分。場所も問題ではありません。あなたが立ったその場所が、あなた固有の世界のエッジになるのです。短期滞在だと、多分十分なリフレッシュにもならないかと思います。それでも、何て言うんですかね、、、自分を知っている人が誰もいない場所に佇んだその一瞬の、実感すらできないくらいの刹那的な感動が確実に癒しになるんじゃないかなと、まあ私はそんなことを考えているわけです。

 

私には誰かと一緒に出張をした経験がなく、毎回一人旅です。英語だってろくにしゃべれませんから、いつも不安ばかりです。ルックスも悪いので一人でレストランに入る勇気もありません。ですから、その辺のスタンドのようなところで何か買って食べることが多いです。でも、フランスの地方都市の小さなお店で買ったサンドウィッチに、店の前の小汚いプラスチック製の椅子に座ってかぶりつく瞬間とか、イタリアの地方都市の駅構内にある小さなカフェのカウンターで、フォッカチオにかぶりつく瞬間とか、やっぱり今考えるとそういう一瞬一瞬で自分は癒されたのかなと思うわけです。

 

親の介護や育児なんかが理由で海外になんて簡単には行けない、という方も少なくないかとは思いますが、もしどこかで時間ができたら、私は海の向こう側に文字通り飛んでみることをお勧めしたいです。短時間で十分だから、物理的に日常から離れること、そして、自分を知っている人が全くいない場所に行くことが重要です。別の言葉で言えば、「いつだって逃げる場所はある」ということを確認することに意味があるのだと思います。

 

昔、「MISIA」という名前のアーティストが日本にいて、私は子供の頃、毎晩のように彼女の「Escape」という曲を聴いていました。歌詞はまあチェックしていただくとして、令和時代を生きている私たちは他力本願ではいけません。自分の意思とちょっとのお金でエスケープできるのです。

 

そんなわけで、私にとっての海外旅行のモチベーション、及び人に勧める際によく使う言葉は「積極的現実逃避」です。

 

旅ブロガー界隈で溢れる情報のほとんどは「地球の歩き方的」です。もちろんそれはそれで大いに結構なのですが、今回書いたような「旅の形」もあるということを強調しておきたいなと。

 

ちなみに、もう言うまでもないとは思いますが、ここで言っているのはキャピキャピした女の子たちが言うような「現実逃避のため、バケーションへいざ出発っ!」みたいな明るい奴ではありません。もっとダークでドロドロしたものです。普段死んだ魚のような目をしてボロボロになって働いているような中年が刹那的に逃げ込む、そんなイメージです。

 

あとがき


今回書いたような話というのは、実は私も普段は特に意識していないのですが、先日某国を訪れた際にふと感じたことをベースに今回文字にしてみました。

 

その時も1週間程度の出張だったのですが、パスタとピザが有名な国だったにも関わらず、両方ともほとんど食べる機会はありませんでした。会議にプレゼン、空いた時間にはいつものようにメール対応。正直何も楽しくはありませんでした。まあでも、それでも自分にとってはちょっとした気分転換にはなったのかなと、今考えると思うのです。そのくらい最近毎日がしんどいです。土日も本当に全部仕事なので。単に私が変な仕事をしているからというだけの話ではあるのですが、他にも色んな理由で厳しい生活を送っている人というのはきっといるんじゃないかなと。

 

表現のチョイスが難しいのですが、時には日常から遠く離れた場所で軽く迷子になってみるのもいいんじゃないかな、なんて思うのです。

 

特に日本は人間関係が難しいです。ちょっと拗れると簡単に泥沼みたいになってしまいますしね。状況や理由に関係なく、窮屈な思いをしている人こそ、逃避を検討すべきなのではないでしょうか。

 

最後に、「そうは言っても、数日間の休みなんてなかなか取れないし、、、」なんて方にオススメの場所があります。

 

日本から地理的に非常に近く、治安は良好、食べ物も(多分)美味しい街があるのです。

 

それはどこかと言うと、、、

 

『北京』です!

 

この街を訪れると、日本で暮らせていることがいかに幸せか思い知ることができるというプレミア付きです!

 

はい、ということで以上、激務&睡眠不足で頭がおかしくなった北京在住日本人サラリーマン旅ブロガーのタイムリーな心象スケッチでした。おしまい。