非常に多くの国で利用可能な使い勝手の良いデータ通信専用SIMカードを発見しましたので、当記事にてご紹介したいと思います。
海外旅行中のスマホ利用
現代人にとって常に手放すことのできない生活必需品の一つである「スマートフォン」ですが、海外旅行中にも非常に重宝します。「海外旅行中くらい電子デバイスから離れて非日常感を、、、」なんて言う方も一昔前にはいましたが、個人的には緊急時への備えという観点も含め、携帯を強くお勧めします。海外では自分の身は自分で守るしかありませんから、通信手段の確保は最も基本的な備えと言えます。
海外でスマホを使うためには、以下のような方法があります。
- ホテルや飲食店等の「施設」が提供する公共Wi-Fiサービス
- 日本のキャリアの海外ローミングサービス
- 日本からモバイルWi-Fiルーターを持参
- 外国企業のSIMを利用(※SIMロックフリー端末が必要)
まず、様々な施設が提供する「公共Wi-Fiサービス」ですが、これは利用可能な場所が限定されますから、これのみに頼るのはお勧めできません。
日本のキャリアのローミングサービスは高価ではあるものの便利なので、経済的な余裕のある方はこれを主に利用するのもありかと思います。
Wi-Fiルーターの持参に関しては、利用経験のある方も多いかと思います。日本の空港にもレンタルができるカウンターがありますから、渡航直前でも簡単に手に入ります。デメリットとしては、持ち物が増えてしまう点、スマホ本体に加えルーターにも充電が必要になる点です。
海外SIMの利用にはほんのちょっとだけ情報リテラシーが必要になりますが、最も安価で所持品も増やさずに済む方法です。旅慣れた方の多くはこれを利用しているかと思います。以下、少し詳しく見ていきましょう。
海外SIMとは
外国に行けばその国の通信事業者が存在するわけで、基本的には外国人旅行客でもそういった会社のSIMカードを購入することが可能です。海外SIMの利用には「SIMロックフリー端末」が必須ですから、事前にロックを外しておく必要がある点のみ注意してください。
海外SIMを利用する場合、月極契約ではなく、料金を事前に支払う「プリペイドSIMカード」というものになります。価格は国やプランによって様々ですが、ざっくり言って、1週間程度の滞在であれば2,000円程度で済むことが多いです。
プリペイドSIMの購入方法は国によって様々です。大きな空港の場合、空港内のカウンターで購入可能な場合もありますが、市街地にあるショップに足を運んで購入しなければならないケースも少なくありません。
例えば、私が以前住んでいた台湾であれば、空港内に中華電信等のカウンターがあり簡単に購入可能ですから、毎回渡航する度にそこで購入すれば問題ありません。しかしながら、様々な国や地域を旅するタイプの旅行者にとっては、事前に購入方法を調べるのがなかなか面倒だったりします。また、市街地まで出なければ購入できない場合、通信手段のない時間ができてしまいますから、その間に何かあったら、、、と考えると少々心配な気もします。
そんな中、近年注目を集めているが「色んな国で使えるSIMカード」です。今回ご紹介するのがまさにそういったタイプのSIMの一つなのですが、SIMを挿入した状態で国を跨ぐと、ローミングにより現地の通信会社の電波を自動的に掴み通信可能な状態にしてくれます。私も今年実際に使ってみて非常に便利だったので、以下、私が試した商品をざっとご紹介したいと思います。
「MTX Connect」のデータSIM
私が試したのは、ルクセンブルクに拠点を置く「MTX Connect」(https://www.mtxc.eu/en/)という比較的新しい会社のデータSIMカードです。Amazonで簡単に購入可能です。
「残高なし」と「残高7ユーロ付き」の2種類があるのですが、どうせ使う時にチャージすることになるので、7ユーロ付きの方を選んだ方がお得かと思います。
この商品はあくまで「データ通信専用SIM」なので、電話番号は付いていません。しかしながら、データ通信さえできればSkype等を利用することで電話はかけられますし、何しろ「世界80ヶ国以上で利用可能」ですから大変便利です。
利用可能エリアは公式サイト(https://www.mtxc.eu/en/coverage.html)にて確認可能ですが、現時点では以下のような感じになっています。
中東、アフリカ、南アメリカ辺りでは使えないことが多いようですが、その他の地域、すなわち日本人渡航者が多い欧米や東アジアはほぼカバーされています。ちなみに、私はドイツ、スイス、フランス、イタリア、ロシアで試しましたが、快適に利用できました。なお、私が今いる中国でも普通に使えています。このSIMを使えば政府による特定サイトのブロックも回避できますから非常に快適です。
事前にSIMを購入しておいて、適宜チャージし、プランを選んで利用、という流れになるわけですが、肝心の利用料金は以下のようになっています。最新の情報は公式サイト(https://www.mtxc.eu/en/pricing.html)をご確認ください。
例えば、1週間程度のヨーロッパ旅行であれば「Big Data」で大体足りるかと思います。15日間有効でヨーロッパ域内であれば2GB(ヨーロッパ域外では1GB)の通信ができ、価格は「14.99ユーロ(約2,000円)」ですからリーズナブルと言えるのではないでしょうか。
チャージ後(もしくは何れかのプランを最後にアクティベートした後)1年半の間残高は有効ですから、1年に複数回海外に行くという方はこれを1枚持っておけば、基本的には他のSIMを購入する必要は無くなるのではないでしょうか。
利用方法
次にざっと具体的な利用方法について書いておきたいと思います。手順は以下の通りです。
- 公式サイト(https://www.mtxc.eu/en/)でSIMカードをアクティベート
- 公式サイトのアカウントページでチャージ(VISAカード及びMasterCardが利用可能)
- 渡航直前もしくは現地でスマホにSIMカードを挿入し、APN(Access Point Name)に「internet」と設定
- ローミングをオンにしてスマホが電波を掴んだ後でブラウザを立ち上げ、表示されたページでプランを選択
以上が公式な説明なのですが、公式サイトのアカウントページでもプラン選択は可能なので、私は渡航直前にチャージした後、そのまま公式サイト上でプランを事前に選んでおきました。
なお、アクティベートの方法ですが、公式サイト(https://www.mtxc.eu/en/)上に表示されている「Activate SIM」を選択し、SIMカードが張り付いているカードの裏面に記載のアクティベーションコード(Activation code)を入力するだけです。その後に表示される画面でメールアドレスやパスワードを設定することにより、個人アカウントの画面に入ることができます。
英語が苦手な方もいらっしゃるかとは思いますが、手順自体はシンプルですし、実は個人アカウント画面まで辿り着けば、日本語表記を選ぶことができます。おそらくそのうち全ての画面において日本語モードが選べるようになるのだろうと思われますが、現時点ではその他の画面は英語表記となっています。
個人アカウントの画面では、チャージやプラン選択、残容量の確認や購入履歴のチェックなどが可能です。
このSIMは日本でも利用可能なようですから(管理人は未確認)、渡航直前に日本でアクティベートし、APNの設定やプラン選択まで済ませてしまうと楽だと思います。現地の空港に着陸後、フライトモードをオフにして数十秒程度待てば自動的に通信可能な状態になるはずです。
ちなみに、実際に購入してみたところ、こんな感じのSIMカードが届きました。
SIMカードは全サイズに対応していますから、適当な枠で切り離せばどんなスマホにも挿入可能なはずです。
まとめ
今回のエントリーでは、世界80か国以上で利用可能な「MTX Connect」のデータSIMカードをご紹介しました。私は以前は訪れた国で毎回プリペイドSIMを購入していたのですが、毎回購入方法をネットで検索して調べるのが非常に億劫でした。そんな中こちらの商品を見つけ試してみたところ、非常に便利で重宝したので今回ご紹介しようと思った次第です。
こちらのSIMを使うにあたって注意すべき点は、「電話番号の付与はない」ということです。つまりSMSの受信等もできないわけですが(SMSの受信ができるアプリなんかもあったりはしますが)、現代ではSNSによる連絡が主ですから、そうそう困らないのではないかなと。ただ、ウーバー(Uber)等の配車アプリなんかを使いたい方は、現地のSIMを購入する以外に方法はないかもしれません。
ちなみに、世の中に「プリペイドSIM」と呼ばれている商品はたくさんあるわけですが、こちらの商品はwebサイト上でプラン選択をしたり各種情報の確認ができますから、従来のものよりも利用のハードルはかなり低い気がします。特定の番号をスマホで打ち込んでSMSにて残高や残容量を確認するタイプのSIMがメジャーですが、あれはちょっと面倒で個人的にはあまり好きではありません。
ということで、こちらのSIMにもし興味のある方がいらっしゃいましたら是非試してみてはいかがでしょうか。なお、私は「MTX Connect」の関係者でも何でもありませんから、あなたが利用したからといって私には1銭も入りません(笑)
ただ、何に関しても本当に選択肢の多い時代ですから、是非皆さんには賢い選択をしていただきたいなと、そんな思いがあって今この記事を書いています。
来年のゴールデンウィークは10連休ということで、欧米旅行の計画を立てていらっしゃる方なんかもきっと多いのではないでしょうか。現地での通信手段の確保にも気を払いつつ、安全に留意した快適を旅を楽しんでいただきたいなと思っています。