こういった題材についてブログ記事を書かれている方はあまりいないようですが、ブログに広告を貼るようになってからずっと気になっていたことなので、一度ここに整理しておきたいと思います。
ということで、今回はブログ収益化(ブログマネタイゼーション)に関する話です。
「ブロガー」は職業名
ブロガーの皆さんはやたらと「マネタイズ」という言葉を使うわけですが、外国語にすることで「いやらしさ」を軽減しようとしているのは見え見えですから、当記事においては日本語で「収益化」とはっきり表記することにします。
まず、ブログに広告等を貼り、読者がそれをクリックしたり、そのリンク経由で各種商品やサービスを購入することによって収益が得られる「ブログ収益化」ですが、これは完全にビジネスです。ですから、「ブロガー」は今の日本においては明らかに「職業名」だと私は考えています。
実は本日、私の運営する台湾ブログ(http://taiwanlover.hatenablog.com/entry/for_girls_without_boyfriends)の方に、
ブログって自分の世界で好きな事言えるって思ってましたが、いろんな方向からの視点も気にしつつ言葉を選ばなくてはいけない世界なんですね。結構、窮屈ですね。
というコメントをいただきまして、今回この記事を書くことに決めた次第です。
つまり、まだブログのことを「公開日記」のようなものだと思っている人もたくさんいるのが現実だということです。元々はそういったものだったわけですが、広告業というか、ビジネスモデルの発達により、ブログは非常に強力な「収益ツール」へと姿を変えたのです。
よく見てみればわかるわけですが、Amazonや楽天のリンク付きで「買って良かった商品」を紹介するブログはあっても、「買って後悔した商品」を紹介するブログなんて存在しないわけです。貴重な時間を使ってそんなものを作っても、何の利益にもなりませんから。
肥大化するブログ収益化の世界
一部のブロガーが、ブログ収益化の方法についてブログ上で詳細に解説をしたり、ブログ収益化セミナーを開いたり、本を出したりと、積極的に「今まで読者でしかなかった人たち」をプッシュしたためか、近年は「ブログ収益化ブーム」とても呼ぶべき状況です。
ここでは「収益化」を狙ったビジネスブロガーに限定しますが、そんな状況ですから、当然競争は熾烈です。「1年間頑張ってみたけれど、全然お金にならなかった」、「有料ブログサービスの利用料分すら稼げなかった」なんていう方も少なくないのではないでしょうか。
しかしながら、ブログというものの特性上、「いったん記事がヒットするとある程度長い期間継続的に収益が得られる」という大きなメリットも存在し、「生活水準をちょっとだけ上げられる程度には稼げている」という人もたくさんいます。例えば、毎月1万円程度ブログで稼いでいる人は山ほどいるかと思いますが、これは1年間貯めれば12万円になるわけで、アジア地域内なら海外旅行にも余裕を持って行けるくらいの額に相当します。ですから、個人的には、ブログが「一般人にとっての強力な収益ツール」であることは間違いないと思っています。
ただ実際のところ、そんなのはある程度真面目にやれば到達可能な末端のレベルの話であって、毎月5万円や10万円、もしくはそれ以上の収益を得ている人もたくさんいます。例えば、私のTwitter(@superflyer2015)のファロワーさんの中にはそういった人たちがたくさんいますが、みんな質の高い生活を送っていらっしゃいます。
ほとんどは脱税者
「うまくいっているブロガー」の中にはいろんな人がいますが、圧倒的に多いのは「兼業ブロガー」です。日中はごく普通にサラリーマンとして働き、固定収入を得つつ、副収入を狙ってブログ運営をしている人たちです。
そして、そういった人たちの多くは、ブログ収益に関しての税金を納めておらず、そもそも確定申告すらしていません。その理由の主なものとしては、税金を払うのが惜しいというだけではなく、近年でもまだ日本には「兼業を禁止」、つまり「専業義務」を課している会社や公的機関が多く存在し、確定申告をすると所属機関に副収入の存在と大体の額がバレてしまうからです。
少し前に、「マイナンバー制度が始まると夜の仕事に従事する女性が減る」なんていう話題が流行りましたが、それと似た様なものと言えなくもありません。
ということで、兎にも角にも、「確定申告が義務付けられているのにしていない兼業ブロガー」や「納めるべき税金を納めていない脱税ブロガー」は実際には山ほどいると思われます。
会社にバレるのを恐れて、専業主婦の奥さんの名義でグーグルの広告サービスである「グーグルアドセンス(Google AdSense)」のアカウントを取得し、それで収益を得ている方なんかもいるようですが、名義人である奥さんが確定申告をしていないケースがほとんどのようですし、収益の額がちょっと膨らめば、配偶者控除等の閾値に引っかかってしまったりもします。
グーグルアドセンスの規約なんかを読んでみると、現時点でマイナンバーとの紐付けなんかはなされていないものの、「税務機関から要求されたら情報を出します」といったようなことははっきりと書かれています。ですから、現状「グレーゾーン」というか、「現在はなんとか隠せているだけ」というのが真実ではないでしょうか。
陸マイラーのリアル
上述のごく一般的なブログ収益に加え、私が特に今回強調したいのは、「陸マイラー活動」による収益です。正確な表現をすれば、ポイントサイトからもたらされる収益のことです。
ポイントサイトの詳しい説明についてはここでは割愛しますが、要は、「クレジットカードの新規発行」や「証券会社の口座開設」、「ネット通販サイトでの商品購入」等をそのポイントサイト経由で行うことにより、各サイト固有の「ポイント」を得られるサービスです。貯めたポイントは、他のポイントサイトのポイントや航空会社のマイル、ギフト券、現金等に交換可能です。現金に交換できるわけですから、ポイントサイトのポイントというのは現金と同等の価値があります。
サラリーマンにとって、確定申告が必要になる副収入の閾値は「年間20万円以上」なわけですが、私が思うに、ポイントサイトで年に20万円相当以上のポイントを貯めるのは簡単ではありません。可能ではありますし、それを主張しているブログが山ほどあるのも事実ですが、とにかく容易とは言えないでしょう。
しかし、それを非常に簡単にしてしまう制度が存在しています。それは「友達紹介プログラム」で、多くのポイントサイトに存在しています。要は、既存会員がブログ等にポイントサイトの「紹介リンク」を貼り、そこ経由で誰かが新規入会した場合、その会員が獲得したポイントの一定割合をサイト側がボーナスとして紹介者に提供するというものです。つまり、個々のブロガーがポイントサイトの広告塔になるわけです。
この制度は、ブロガーにとっては非常に強力な収益チャンネルになるものであり、ものすごくざっくり言えば、例えば、100人くらい紹介すれば、それだけであとは放っておいても、あなたの元に毎月1万円相当以上のポイントは入ってくることでしょう。
実際には、もっと多くの人を紹介済みのブロガーはたくさんいるわけですし、そもそもそういったブロガーは別の収益チャンネルも間違いなく持っていますから、合計で「年20万円」なんていうラインは簡単に超えてしまいます。
個人的には、この「ポイントサイトによる収益」が税制上どういった扱いになっているのかに非常に興味があるのですが、まだ答えは持っていません。どのポイントサイトも同一月内の「ポイント交換上限」を設けていますから、まあそういうことなのではないでしょうか。
言いたいこと
ということで以上、最近のブログ収益化界隈をざっと見てみたわけですが、私が言いたいのは、「ルールはルールなんだから、しっかり守ろうよ」ということです。脱税というのは犯罪ですから。納めるべき税金はしっかり納めて、努力によって稼いだ「クリーンなお金」で人生を楽しむべきです。ポイントサイトで得た収益に関しては現時点ではよくわかりませんが、とりあえず、グーグルアドセンスや各種アフィリエイトで稼いだ分はきっちり申告すべきです。
とまあ、綺麗事はこのくらいにしておきますが、私が本当に言いたいのはコレです。
日本の企業や公的機関は構成員の副業を認めるべき!
上にも書きましたが、「別に税金として納めるお金は惜しくないけれど、会社にバレるのだけは困る」というブロガーは本当にものすごく多いと思います。私が思うに、当人が会社にいる日中、しっかりと業務に専念しているのであれば、それで十分会社への義務は果たしたことになると思うのです。「平日の夜や週末は十分に休養を取ってもらいたいから」なんてことを言う会社もあるそうですが、それならその分も全て超過勤務扱いにして別途手当てを支給すべきです。現状そうではないわけですから、構成員が余暇をお金儲けに使おうとそれは当人の自由だと私は思うのです。もちろん、夜遅くまでブログの更新に熱中し日中会社で眠そうにしている、なんていうのは論外ですが、そんな人材は解雇すれば良いだけです。もう終身雇用だとか年功序列だとか言っているような緩い時代ではないわけですから、組織側も柔軟になるべきです。そしてまた、我々個人も「サバイバル意識」を持つべきです。22歳でその後の人生が決まるようなイージーな時代ではないのですから。
最後に
私はブログを始めて2年くらいになりますが、本業で「生きていく」のに必要なお金は普通に稼げていますから、ブログはただの趣味です。コメントをもらったりTwitterで記事の感想を聞いたりして、毎晩酒の肴にしている感じです。
でまあ、そういった趣味系のブログは良いのですが、やっぱり本格的な陸マイラーブログとか、トレンドブログ等のブログ収益化に特化した界隈を見ていると、本当に色々とエグいんですよね。例えば、一生懸命クレジットカードのメリットを解説しているブログが山ほどあるわけですが、「お前、ブログでだいぶ稼いでいるみたいだし、そんなショボいクレカ持ってるはずないじゃん、、、」みたいな、ついツッコミを入れたくなることが多いのです。まあそれでも、その「情報」が読者にとって本当に価値のあるものなら悪くはないのかもしれませんが。
稼いでいるブロガーはみんな、「有益な情報を提供しているのだから、ベネフィットがあってもおかしくはないはず」といったようなことを言っています。まあもっともだとは思うし、特に否定するつもりはありません。ただ、私はまだどうしてもちょっとだけ不満に感じるのです。
一部の人たちが王様みたいになって、その他大勢の人たちに「与える」。この構図がどうしても不快に感じられるんですよね。多分、現実の社会がまさにこれだから、ブログの世界でも同じというのが個人的に堪らなく嫌なのだと思います。まあ、リアル社会でキングになれなくても、ネットの世界でそれが実現可能というのは一つの希望にはなり得るのでしょうが。
でもね、ブログ界隈で成功している人たちって、実際のところ、リアル社会でも成功している人たちばかりですよ。
だから「不快」だと言っているのです。
人生における一発逆転の良い方法、ないものですかね。。。