かなりマニアックな話なのですが、昨日急に気になって調べてみたので、備忘録として記事に残しておこうと思います。以下、国際線航空券に限定した話です。
予約クラスとは?
航空券の種類と言うとすぐ、「ビジネスクラス」や「エコノミークラス」というカテゴリー分けを思い浮かべる方が多いかと思いますが、実は「予約クラス」というもっと細かい分類が存在します。
例えば、全日本空輸(ANA)であれば、ファーストクラスには「F, A」、ビジネスクラスには「J, C, D, Z, P」、エコノミークラスには「Y, E, B, M, U, H, Q, ...」などなど、アルファベット表記される様々な予約クラスがあるわけです。この予約クラスにより、チケットの価格やマイレージの積算率、予約変更やキャンセルに関するルールなどがそれぞれ決められています。航空会社によっては、この予約クラスにによって、事前座席指定ができるかどうかも決まりますから、けっこう重要です。
予約クラス別空席状況とは?
少し俗っぽい話ではありますが、航空会社のマイレージプログラムの上級会員の場合、特に長距離路線においては、オーバーブッキングの際にいわゆる「インボランタリーアップグレード(インボラアップグレード)」(航空会社都合でのアップグレード)がなされることがしばしばあるため、この予約クラス別空席状況を気にする人は少なくないわけです。
ちなみに、一般的には、インボラアップグレードがなされる場合の優先順位は、会員資格が同じであれば、予約クラスが高い人の方が上です。ですから、予約クラス別空席状況から得られる情報はそれなりに大きいわけです。便によっては、エコノミークラスよりも先にビジネスクラスが埋まってしまうなんていうケースもありますが、その場合はアップグレードに関してはほぼ絶望的ですしね。そういった点をチケット購入前に確認したいと思う人も多いわけです。
ちなみに、予約クラス別空席状況というのは、実際にはこんな感じで表示されます。
F1 A0 J9 C7 D0 RC IC W9 E9 T4 Y9 BC HC ...
これが意味することは以下の通りです。
- 現在売り出されているFクラス席は1席
- 現在売り出されているAクラス席に空席はないけれど空席待ちは可能
- 現在売り出されているJ, W, E, Yクラス席にはそれぞれ少なくとも9席の空きがある
- 現在売り出されているR, I, B, Hクラスの席はなく空席待ちも不可能
といった感じで、これを見ながらああでもないこうでもないと思いを巡らせる飛行機ファンがそれなりにいるわけです。
予約クラス別空席状況の確認方法
さて、では実際にどうやったら予約クラス別空席状況の確認ができるのかという話に移るわけですが、以前までは「FlightStats(http://www.flightstats.com)」というサイトで「Flight Availability」という項目を選択することで調べることができました。
しかし、どうやらこのサービスは廃止になったようで、実は現在無料で調べる方法はありません。
有料でもいいから調べたい、ということであれば、以下の二つのサービスが利用可能です。
- Expert Flyer (http://www.expertflyer.com)
- KVS Availability Tool (http://www.kvstool.com/)
月に数ドル程度ですから、興味がある方は試してみるのもありだと思います。
予約クラス別空席状況の情報としての価値
かつては多くの人が積極的に予約クラス別空席状況を確認していたようなのですが、最近はめっきり関心を持つ人が減ったようです。
このことの理由なのですが、どうやら世界的に航空会社のチケットの売り方が大きく変化したためのようです。昔は空席状況が一括管理され、どこの国の旅行代理店からでも同じ情報を閲覧できたようなのですが、近年航空会社は国や旅行代理店ごとに販売するチケットを調整するようになったそうで、「空席がある」ということと「購入可能である」ということが対応しないケースが増えたわけです。あとは、キャンセル待ち可能となっていても、なぜか実際にはできなかったりと、システムの問題なのだとは思いますが、情報閲覧者からの苦情も多く、上述の「FlightStats」もサービス提供をやめたのだとか。
ということで、現在は「予約クラス別空席状況」を確認することにはあまり価値がないという見方が多いようです。有料サービスが存在するくらいですから、参考にはきっとなるのだとは思いますが。
ちなみに、予約クラス別空席状況は確認できませんが、「ITA Software by Google (http://matrix.itasoftware.com/)」を利用することで、「現時点で確実に空席のある最も安い予約クラス」なんていうのは確認できますから、こちらはかなり有用だと思います。検索結果を印刷して、旅行代理店に持って行って、「これを予約してほしい」と頼むのは結構スマートかもしれません。
ということで、今回は国際線航空券の予約クラス別空席状況についてでした。
(※2017年5月10日 追記)
無料で調べられるサイトが出現しました。