とある飛行機好きの生活向上ブログ

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「ホステル(hostel)」ってどんな宿泊施設? 利用時の注意事項。滞在を楽しむコツ。

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宿泊施設には色々と種類があるわけですが、やはり最も安価で利用可能なのは「ホテル(hotel)」ではなく「ホステル(hostel)」です。

 

安価ではあるものの若干クセの強い宿泊施設ではあるので、今回は利用時の注意事項も含めて、そもそもホステルとはどのような宿泊施設なのかご紹介したいと思います。

 

「ホステル」とは?


まず、「そもそもホステルって何?」という方も日本には少なくないかと思いますが、Wikipediaに載っている説明によると以下のような施設のことです。(※日本語版のページはないみたいです。)

 

Hostels provide lower-priced, sociable accommodation where guests can rent a bed, usually a bunk bed, in a dormitory and share a bathroom, lounge and sometimes a kitchen. Rooms can be mixed or single-sex, and private rooms may also be available.


簡潔に言えば、個室ではなく、「大部屋に複数設置されたベッドの一台を借りる」タイプの安宿のことです。部屋は基本的には男女別ですが、混合部屋もあり、バスルームはもちろん共用。要はドミトリー(寮)みたいな感じの施設です。ちなみに、中には個室を備えているホステルもありますが、価格は安めのホテル並みであることが多く、ホステルと呼ぶには相応しくないような気が個人的にはします。


ホステルは日本にもあるにはあるのですが、基本的にはホステル文化に親しんだ外国人向けであり、日本人利用者は決して多くありません。今これをお読みの皆さんの中にも、利用経験のある方はおそらくほとんどいないのではないでしょうか。


そんなホステルではあるのですが、「宿泊費なんかにお金をかけたくない!」、「旅行したいけれどお金がない!」なんていう方には最適な選択肢になり得ます。例えば、私が今いる北京の街中であれば、標準的なホテルは1泊1万円程度ですが、ホステルなら1泊1,500〜2,500円程度で泊まることができます。


ちなみに、今夏私は北京市内にある4つのホステルを実際に利用してみました。その感想は以下の記事にありますので興味のある方は是非チェックしてみてください。

 

chinalover.hatenablog.com


実は私、ホステルを利用するのは今回が初めてだったのですが、実際に利用してみた結果、「事前に知っておくべきこと」が色々とあることに気が付きました。そんなわけで、当記事では以下、個別のホステルに関する宿泊レポートではなく、ホステルを利用するにあたって知っておくべき一般的な事柄に関してご紹介したいと思います。

 

プライバシーとセキュリティー


ホステルでは見ず知らずの他人と狭い部屋で一緒に寝ることになりますから、やはりまず気になるのは「プライバシー」に関する問題かと思います。自分が実際に泊まってみて思ったのですが、多分重要なのは「寝顔を見られてもいいのか?」という点で、ホステル選びにおいてはこれが一つの基準になるのではないでしょうか。


部屋のレイアウトはもちろん様々ですが、代表的なものとしては以下のような感じで、「カーテンあり」、「カーテンなし」、「テント」などが存在します。

 

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カーテンがあるベッド及びテントであればプライバシーはかなりのレベルで確保されます。自分だけの空間がそこに出来上がりますから。ただ、実際にはカーテンなしのベッドしかないようなホステルもたくさんあります。カーテンがない場合は睡眠中の無防備な状態を完全に他者に晒すことになるので、特に日本人の場合、しんどいと感じる人も少なくないかもしれません。


あとは、各部屋に共用のバスルームがあるタイプの場合、バスルーム使用時の音はある程度外にも聞こえたりします。やはりこれを特に気にするのは女性でしょうが、これに関してはもう諦めるしかありません。混合部屋の場合、その辺を気にしてかだいぶ早起きしてトイレやシャワーを使う女性が多かったのですが、私はその音で何度も目が覚めてしまいました。


また、赤の他人と密室で過ごすことになるわけで、「セキュリティー」に関しても気になるかと思います。とりあえず個人的に真っ先に書いておきたいことがあるのですが、女性はやはり女性専用の部屋を利用した方が良いと思います。男女混合部屋の場合、半分くらいは女性ですが、カップルで宿泊しているケースも少なくありません。全てシングルベッドですから皆分かれて眠るわけですが、皆が寝静まった深夜に片方が相手の方に移動して、、、というのを何度か目撃しました。あとは、夕方少し早めの時間に宿に戻ったところ、カップルがベッドでくっついて寝ていて、邪魔しちゃったな、、、なんて気まずい思いをしたこともあります。あとは、私は男性なわけですが、夜中にふと目が覚めて横を向くとほんの数メートル先に無防備な女性の姿があったりするわけで、やはりドキッとしたりはします。ある意味相互監視の空間ですから襲われるようなことはないかとは思いますが、少額をケチって(男女混合部屋は女性専用部屋よりも若干安いケースが多い)あえて利用するべきではないような気がします。


なお、貴重品に関してはどこのホステルにも鍵の付いたロッカーがあるので心配は要らないかと思います。

 

人気ホステルは予約困難!?


次に、ホステルの探し方及び予約の仕方ですが、基本的にはやはり宿泊予約サイトを利用するのが便利だと思います。宿泊予約サイト経由の予約の場合、宿側からしたら予約サイトに中間マージンを取られてしまうため、長期滞在の場合などは宿と直接交渉した方が良い、なんていう話もあるようですが、不慣れなうちはやはりサイト経由での予約になるかと思います。


宿泊予約サイトにおいてホステルを探す方法ですが、基本的にはまずエリアを指定し、表示された検索結果を安い順にソートすれば簡単に見つかるかと思います。例えば、私が今夏ホステルを予約した際には、Booking.comを利用して検索結果を安い順にソートし、その中から口コミスコアの高い宿を幾つかピックアップして比較検討の上、最終的に利用するホステルを選びました。


ということで、検索や予約の手順自体は普通のホテルを利用する際とほぼ同じなのですが、実はここで特筆すべきホステル特有の問題があります。一般的なホテルの場合、部屋数が多いのでそうそう「満室」にはならないわけですが、規模の大きくないホステルの場合は結構簡単に空室が埋まってしまいます。特に予約サイトで口コミスコアの高い人気ホステルの場合、希望の日程での連泊が難しいケースも非常に多いです。なので特に連泊希望の場合はなるべく早めに予約をすることを強くお勧めします。

 

タオルやシャンプーは持参!


予約を済ませたらもちろんあとは実際に宿泊するだけなわけですが、ホステルに泊まる場合、アメニティー類は基本的に一切提供されません。リネンに関しても寝具用のみの提供になります。


ちなみに、シーツや枕カバー等の寝具用のリネンに関しては、もともとベットにセット済みのところもありますが、自分で敷く必要があるところも多いです。


また、タオルはもちろんのこと、シャンプーやボディソープなんかも備え付けられてはいませんから持参する必要があります。もちろんチェックイン後に付近のスーパー等で購入することもできるわけですが、夜遅くに宿に到着する場合などは注意が必要です。

 

あると便利なもの


タオルやシャンプー等の必需品以外に、実際に泊まってみて「あると便利」だろうと感じたものがいくつかあります。


まずは「サンダル」。これは提供してくれるホステルもありますが、持参した方が確実だと思います。通常時の靴がスニーカーなんかの場合、サンダルがないとシャワーを浴びる際に苦労するかと思います。バスルームの構造によってはスリッパでも十分かもしれませんが、例えば中国のバスルームの場合、ウェットなエリアとそうでないエリアの間に一切境目がなく、サンダルを履いた状態でシャワーを浴びるのが一般的です。


滞在期間中に洗濯をする必要がある場合、「洗濯紐」や「ハンガー」なんかもあると便利かもしれません。ホステルの中にはちょっとしたコインランドリーのようなエリアがあり、そこで洗濯ができたりするのですが、やはり下着なんかはバスルームで自分で手洗いをする人も多いです。その際に洗濯紐やハンガーがあると重宝するかと思います。


そしてこれは現代人ならではですが、容量が大き目の「モバイルバッテリー」は持参した方が良いかと思います。宿によっては枕元に電源のタップが設置されていたりもするのですが、部屋の隅にしか電源がないなんていうところも普通にあります。その場合、とにかく充電はできる時にモバイルバッテリーにまとめてしておき、スマートフォンへの充電は自分のベッドの上でバッテリーから行う方が楽だったりします。2段ベッドの上段になってしまった場合など、上り下りの無駄な反復は地味に面倒です。

 

国際交流の楽しみ方


以上色々と書きましたが、ホステルも慣れるとそれなりに快適に利用することができます。私の場合、一人でホテルに泊まっているとふと不安に感じることがあるので、「誰かがいる空間にいる」ことで逆にホッとしたりする部分も正直あったりします。


そしてまた、ホステルに滞在すると国際交流が容易に楽しめるというメリットもあります。ホステルには世界中から旅行者が集まりますから、国際色が非常に強いです。同室になった人とはもちろんのこと、ラウンジのようなエリアを備えたホステルも多いため、色んな国の人たちとコミュニケーションと取る機会に溢れているのです。しかしながら、そういった場においては少々マナーも必要になりますので、簡単に書いておきたいと思います。


まず初めに、白人や黒人、ラテン系ならいざ知らず、我々のような東洋人が近くにいたとしても誰も話しかけてはきません。ただ、欧米系の連中にも言い分があって、先日この話をしたところ、「東洋人の場合、英語が話せるかわからないし、もしまともに話せなかった場合、ギクシャクした感じになってしまうとお互いにとってマイナスだから」とのことで、まあ逆の立場になって考えるとそういうことになるのかなと。そんなわけで、我々から積極的に話しかけることが重要、というか、多分そうしないとコミュニケーションが始まらないかと思います。


次に、コミュニケーションを取るタイミングや場所ですが、ラウンジにいるような連中はおしゃべりの相手を探しに来ているケースがほとんどなので、雰囲気を見て気軽に話しかけてしまって大丈夫だと思います。ただ、寝室にいる人に関してはちょっと注意が必要かもしれません。欧米人だからと言って皆が皆陽気なわけではありませんし、一人で静かに過ごしたいという人ももちろんいます。また人によってはヨガや瞑想の時間が決まっていたりもするので、ある程度空気を読む必要はあるかと思います。ただ、朝と夜以外の時間帯に暇そうにしている人がいたら、私だったら食事にでも誘うとは思います。


ゲストハウスで外国人の友達ができることはよくあります。気が合えばもちろん一緒に食事へ、観光へ、バーへ、クラブへ、、、となるのも自然な流れなわけですが、やはり若干の注意事項は存在します。例えばお金に関して。「割り勘」という概念があまりない人たちも多いので、気前よく奢ってくれるなんて場面によく遭遇します。ただ、連中は経済的に余裕があるから奢ってくれているわけではなく、私の友人もそうなのですが、単に少しでも格好良く振舞おうとしているだけだったりもするので、「それじゃあ次の店では私が出しますね」みたいな感じでバランスを適宜取ることが重要です。個人的には、あまり借りを作るのも怖いなという気持ちもあります。あとは、男にとって難しいのは相手が女性の場合ですが、変な意味ではなく、食事に連れ出したのなら基本的には奢るべきです。多くの女性は素直に喜んでくれます。人によっては奢られるのを嫌がるので「割り勘にしてほしい」とはっきり言ってきますから、その場合は素直に半額受け取れば問題ありません。これがレディーファーストだなんて言うつもりはありませんが、理屈じゃなくそういうものなんです。これで男女平等なのです。


なお、飲食に際しては必ず同行者の希望を丁寧に聞きましょう。ベジタリアンやビーガンは決して少なくありませんし、宗教上の理由などで特定の食材は口にできない人もたくさんいます。更には、最近の若者の中には一切お酒を飲まない人も本当に多いです。適当な思い込みで動かず、相手の希望をその都度しっかり聞いてあげることが重要です。あなたも聞かれた際には遠慮せずにはっきり答えましょう。中には危ない場所に行きたがるようなのもいますから。


以上ざっと書くとこんな感じかなと思います。実際に経験してみると、皆生まれも育ちも違うわけで、実に様々な「違い」があることにすぐ気付くはずです。特に外国人との会話において肝心なのは、寛容な心で受け入れ安易に批判や非難をしないことだと思います。その場にいる人たちには一見関係のない第三者や第三国に関しても、とにかく「ディス」を口にしてはいけません。「普通」という概念も一旦捨てるべきです。なんだかんだ言って、皆腹の中で何を考えているかはわかりませんから。


とまあ、そういったちょっとしたマナーを頭の片隅に置きつつ、ホステルに泊まった際には国際交流、外国人の友達作りを楽しむのも一興なのではないかなと思います。これがホステル宿泊の醍醐味であることは間違いありません。

 

終わりに


ということで今回は「ホステル」の話だったわけですが、個人的に思うこととして、日本の若い人たちには是非もっとホステルを積極的に利用してもっと気軽に世界中を旅していただきたいです。


冒険適齢期な若者たちがパッケージツアーなんかを利用して何の面白みもない退屈な宿に泊まり、地球の歩き方に載っている観光地を巡ったところで何が楽しいのだろうとつい思ってしまうのです。やはりせっかく遠出をするのであれば、もっともっとディープな体験をしていただきたいなと。シティーホテルに泊まって小綺麗なレストランで食事をして、、、なんていうのは私のような年齢になってからで十分でしょうから。


また、国際交流がどうとか、グローバル人材がどうとか、日本の無知な大人たちはいつも適当なことばかり言っていますが、やはり現場で場数を踏まないと理解できないことというのは本当に多いです。色んなことを理解した真にバランスのとれた国際人になろうと思ったら、多くの経験をした上でそれを長い時間かけて咀嚼する必要があるのだと思います。そういう意味では、私自身もまだまだ道半ばだなと思いますしね。


令和元年の夏もそろそろおしまい。次は秋旅、もしくは年末年始の旅行でしょうか。学生であれば、その先には長い春休みも待っているはずです。当記事が皆さんを旅に誘うちょっとしたきっかけにでもなれば嬉しいなと思っています。