とある飛行機好きの生活向上ブログ

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(ステータスマッチ)一切宿泊せずにホテルグループの上級会員になる方法

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チェーン系のホテルに宿泊する際には、ステータスマッチを利用して事前に当該ホテルグループの上級会員になっておくことをお勧めします。

 

「上級会員」とは?


インターネットの発達により、国内外を問わず非常に気軽に旅行に出かけられる時代になりました。現在当記事をお読みになっている方の中にも、海外旅行が好きで年に複数回渡航しているなんていう人は決して少なくないかと思います。

 

海外旅行に欠かすことができないのは何と言っても「飛行機」と「ホテル」なわけですが、航空会社とホテル業界には共通する部分があり、それは「ポイント制度による顧客の囲い込み」をはかろうとしている点です。

 

例えば、各航空会社には「マイレージプログラム」が存在し、利用する度に「マイル」や「ポイント」が貯まり、貯めたマイルで特典航空券が発券できたり、一定数のポイントを貯めることによっていわゆる「上級会員」になれる仕組みになっています。一般的に言えば、上級会員になることで空港にある「航空会社ラウンジ」が利用できるようになりますし、ボーナスマイルがもらえたり、インボラアップグレード(航空会社都合の座席アップグレード)のチャンスが増えたりといったメリットもあります。

 

次にホテルですが、世の中には様々な「ホテルグループ」が存在し、それぞれ独立した「ロイヤルティプログラム」を持っています。宿泊やホテル内のレストラン利用によって「ポイント」が貯まり、そのポイントで無料宿泊をすることができます。また、貯めたポイントが一定数に達したり、宿泊数が規定数に達することで上級会員になることができ、ボーナスポイント、客室アップグレード、レイトチェックアウト等の恩恵を受けることができるようになります。

 

「ステータスマッチ」とは?


ということで、やはりなれるものであれば誰でも上級会員になりたいと思うわけですが、いざなろうと思うと「特定の航空会社やホテルを集中的に使う」ことが必要になります。そしてもちろんこれこそが、各企業がそういった顧客囲い込みのためのプログラムを展開するモチベーションであるわけです。しかし、一旦囲い込んだ顧客を放さないだけでは十分ではありません。そもそも上級会員になるような顧客というのはヘビーユーザーである可能性が高いため、企業側からしたら、「いかに競合他社から上級会員を引き抜くか」というのも重要になります。そしてそのために各企業が実施しているキャンペーンが「ステータスマッチ」と呼ばれるものです。

 

ステータスマッチとは、「競合他社の上級会員に自社プログラムの上級会員資格を与えることで顧客の引き抜きをはかる」ものです。要は、「現在他社のプログラムで持っているステータスに合わせてうちでも上級会員にしてあげるからうちを利用してね!」というものです。全ての航空会社やホテルグループがこれを実施しているわけではありませんが、近年こういったやり方は広がりつつあります。

 

ちなみに、当記事では主にホテルグループのロイヤルティプログラムに焦点を当てることにしますが、その理由は「日本人は簡単に航空会社の上級会員になれるから」です。

 

航空会社のほとんどは「三大航空連合(アライアンス)」(スターアライアンス、スカイチーム、ワンワールド)のどれかに所属していて、航空会社のマイレージプログラムで上級会員になると、自動的にその航空会社が所属するアライアンス全体での上級会員にもなることができます。そんな中、日本でメジャーな航空会社である全日本空輸(ANA、スターアライアンス所属)と日本航空(JAL、ワンワールド所属)にはそれぞれ「SFC」、「JGC」と呼ばれているクレジットカードが存在し、入会に若干のハードルはあるものの、一旦入会してしまえば、毎年年会費を支払ってそれを保有する限り、半永久的に上級会員であり続けることができようになっています。それらを保有していれば、同一アライアンス内の他社便利用時でも上級会員としての扱いが受けられますから、SFCやJGCを持ってしまえば世界中のかなりの範囲がカバー可能ということになります。さらに、日本にはアメリカン・エキスプレスとデルタ航空との提携クレジットカードが存在するのですが、デルタ航空はスカイチームに所属していますから、このカードを保有するだけでスカイチームの上級会員になることも可能(※現在は決済額に下限あり。詳細は下の記事にあります。)です。ということで、日本人にとって、航空会社の上級会員になるのは非常に容易いのです。

 

(大改悪)デルタ航空&アメックス提携クレカへのメダリオン資格自動付帯の廃止が決定 - とある飛行機好きの生活向上ブログ

 

基本的にはどの航空会社であっても自社のマイレージプログラムにおける上級会員を優遇しますから、それでもなお、ステータスマッチに意味があると言えなくもないのですが、特筆すべきほどの話ではないと私は考えています。

 

その点、ホテルに関しては航空会社のアライアンスに相当する「ホテルグループ」の数自体が非常に多く、ロイヤルティプログラムも全て独立しているため、飛行機のように「3大アライアンスで上級会員になったら無敵!」といったような感じにはならないわけです。しかしながら、ホテルに関してはステータスマッチを実施しているところが多いので、これを活用することで様々なホテルグループにおいて上級会員になることが可能となります。

 

ステータスマッチの流れ


それではこれからステータスマッチの方法について説明をしたいと思いますが、現実的には以下のような流れになるかと思います。

 

  1. 旅行先にどんなホテルが存在するのか調べる。
  2. チェーン系のホテルを見つけた場合、そのホテルが所属しているホテルグループを確認。
  3. 自身が持っているステータスから当該ホテルグループのロイヤルティプログラムへのステータスマッチが可能か調べる。
  4. ステータスマッチを申請。


まず、旅行先を決めたら「Booking.com」や「Agoda」等の宿泊予約サイトで現地のホテルを調べてみましょう。そして次に、気に入ったホテルが見つかったら、そのホテルがチェーン系かどうか、チェーン系なら一体どこのホテルグループに属しているのかを確認します。

 

名前に「ヒルトン」なんて入っていれば即座に分かるわけですが、中には知識がないとわからないホテルブランドもあります。例えば、「ル・メリディアン」がSPG(現在はマリオット)傘下のホテルだということは名前からは分かりません。

 

もちろん、そのホテルが所属しているホテルグループの上級会員ステータスを自分が既に保有しているようなら何も特別なことはする必要はないわけですが、そうでない場合はステータスマッチの可能性を探ることになります。

 

その方法ですが、「ステータスマッチャー(StatusMatcher, http://www.statusmatcher.com/)」という非常に便利なウェブサイトがありますから、そこを利用すれば簡単に情報を得ることができます。海外のサイトではありますが、長文を読んだりする必要はないので、私のように中高で英語を学んだだけの者でも十分使えるはずです。

 

使い方ですが、まずはトップページ上部にある「Hotels」を選択しましょう。ちなみに、「Airlines」を選択すれば、航空会社のマイレージプログラムに関するステータスマッチの情報をチェックすることができます。

 

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するとこんな感じのホテル一覧が表示されますから、「ステータスが欲しいホテル」を選択しましょう。

 

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試しに日本にもファンの多い「ヒルトン」を選択してみると以下のような画面が表示されます。

 

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こちらのサイトは読者の投稿形式になっています。左上はステータスマッチの統計です。マッチ(Match)と「拒否(Deny)」はまあいいとして「チャレンジ(Challenge)」というのもあることがわかります。これは例えば、「とりあえず3か月間だけゴールド会員にするから、その間に4泊以上したら翌年いっぱいまでゴールド会員でいられますよ」といったような条件付きのマッチのことです。

 

右上には当該ホテルグループのロイヤルティプログラムにおけるステータスレベルが表示されていますが、これに関しては公式サイトに飛んで詳しい情報をチェックしてみると良いかと思います。「プラチナ」が最上位ステータスだったり、「ダイアモンド」が最上位だったり、その上に更に「ダイアモンドセレクト」があったりと、呼び名はプログラムによって実に様々です。

 

読者の投稿情報はそれらの下に表示されていますから、自身が持っているステータスからのマッチになっているものを探してチェックしてみれば良いかと思います。なお、もっと下の方までスクロールすると、「ヒルトンから他のプログラムへ」のステータスマッチに関する情報も確認することができます。

 

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とりあえず、適当に一つ選択してみると、こんな感じの画面が表示されました。

 

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これは「IHG Rewards ClubからHilton HHonors」へのステータスマッチの例です。IHGというのは、「インターコンチネンタル」や「クラウンプラザ」等のホテルブランドが所属しているホテルグループのことであり、「Hilton HHonors」はヒルトンが展開するロイヤルティプログラムの名称です。この例からは、IHGの「プラチナエリート」からヒルトンの「ダイヤモンド」へのマッチが成功したことがわかります。

 

あくまで読者投稿ですから、記述内容やその詳しさは投稿によって様々ですが、この方のように申請方法を書いてくれている人は多いです。

 

関連する投稿を色々とチェックしてみて、成功する見込みがありそうだと判断したら実際にステータスマッチを申請すれば良いわけです。

 

申請方法


ステータスマッチの申請方法に関してはロイヤルティプログラムによって様々ですが、基本的には、「専用サイトのフォームに入力して申請」もしくは「電子メールで申請」となります。

 

例えばヒルトンであれば、専用サイト(https://statusmatch.hiltonhonors.com/)のフォームに入力して添付ファイルをアップロードし、送信すれば完了となります。この添付ファイルに関してもやはり色んなパターンがあるのですが、ヒルトンの場合であれば「Proof of Status」(ステータスが証明できるもの)と「Proof of stay within the last 12 months with other Hotel Loyalty Program」(マッチ元のロイヤルティプログラムにおける直近12か月間の宿泊を証明できるもの)の二種類が求められます。

 

こういった類の書類が求められた場合は、基本的には当該ロイヤルティプログラムのアカウント画面や宿泊履歴が表示された画面のスクリーンショットで十分です。また、ステータスの証明に関しては、ステータスが明記された会員カードを撮影して送ってもOKです。

 

「えっ、宿泊履歴が必要なの!? それじゃあ難しいんじゃ、、、」なんて思われた方もいるかと思いますが、これはロイヤルティプログラムによっては求められませんから必須とは言えません。ただ、全く普段ホテルを利用しないような人にステータスを与えても仕方ありませんから、理にかなった話だとは思います。もちろん、この添付ファイルの内容次第でマッチ先のステータスが変化する可能性は大いにあるかと思います。もっとも、「◯◯のゴールドからはゴールド」といった感じで機械的に処理しているところも少なくないような気がしますが。

 

次にメールで申請する場合ですが、ステータスマッチ専用のメールアドレスが設定されていてそこにメールを送るよう専用サイトに書かれている場合もあれば、ロイヤルティプログラムのカスタマーサポートのアドレスに連絡すればよいケースなどもあります。そういった情報も上でご紹介したサイト上の投稿をチェックすれば見つかるはずです。

 

メールの内容に関しては、指示がある場合はそれに従えばよいですし、ない場合は以下の情報があれば十分かと思います。

 

  • 氏名
  • マッチ先のロイヤルティプログラムの会員番号(事前に会員登録は済ませておきましょう)
  • マッチ元のロイヤルティプログラムの名称とステータス
  • ステータスを証明できるもの(添付ファイル)

 

もしマッチ元のホテルグループでの宿泊履歴に関して自信があるようなら、この段階でスクリーンショットを添付してしまってもよいかと思います。もしかしたら後ほど提出を求められるかもしれません。

 

ちなみに、当たり前ですがメールは英語で書いてください。苦手な方もいらっしゃるかとは思いますが、短文で必要な情報さえ含まれていれば十分ですから、あなたが高校を出ているのなら絶対に大丈夫なはずです。

一応参考までに、ちょっとした例を載せておきます。

 

To whom it may concern,

I am Taro Yamada (member number: 123456789). I am planning to stay at a ◯◯◯ hotel in Japan in April and writing this to ask you for the status match. Please find the attached screenshot which shows that I have the Gold Elite status of the ⬜︎⬜︎⬜︎ Rewards. Thank you.

Best regards,
Taro Yamada

 
最初の一通で申請が完了するケースもあれば、何らかの書類を追加で求められるケースもありますし、私の経験では、「本人確認のために登録済みの住所を送ってください」なんて返信が来たこともあります。もちろん、その場合は単に指示に従えばよいだけです。

 

ちなみに、英語関係の問題で困った際には、Twitter(https://twitter.com/superflyer2015)経由で私に直接質問していただいても構いません。普段当ブログをチェックしてくださっている皆さんの「ロイヤルティ」には本当に感謝しているので。

 

マッチ元がないなら作ればいい


もしかしたら、当記事を読んで「そもそも現時点で上級会員資格なんて一切持っていないからマッチも何も、、、」なんて思われた方もいらっしゃるかもしれませんが、ないなら作ればいい、それだけの話です。

 

とりあえず手っ取り早くホテルグループの上級会員資格を手に入れるための最も簡単な方法は、「SPGアメックス」と呼ばれているクレジットカードを作ることです。

 

sfcmiler.hatenablog.com

 

このカードを作るだけでマリオットのロイヤルティプログラム「Marriott Rewards」における「ゴールドエリート」ステータスを得ることができます。ゴールドは最上位ではないので、他の高級ホテルグループの最上位ステータスへのマッチングは難しいですが、最上位の一つ下くらいならマッチできるケースが少なくありませんし、ビジネスホテルチェーンであれば最上位ステータスを得られる場合もあります。

 

他の選択肢としては、上の方でも出てきたIHGの上級会員になってしまう方法があります。詳細は以下の記事を参考にしてください。

 

sfcmiler.hatenablog.com


2019年の春以降はこの方法で「プラチナエリート」になることができますから、それを元に他のホテルグループの上級会員資格を得ることが可能です。

 

終わりに


ということで今回はホテルグループの上級会員になるための「ステータスマッチ」についてご紹介しました。

 

実は最近、私もステータスマッチの申請をする機会があったのですが、その際には宿泊履歴すら求められず、当該ホテルに宿泊した経験すら一切ないのに最上位ステータスを得ることができました。「これは知らなきゃ損!」と思い、今回記事にすることにした次第です。

 

世の中には、「ホテルなんて寝るだけだから立地と価格のみが重要」と言う人がたくさんいますが、私はそうは思いません。風呂も寝具も、ある意味我々の肌に直接触れる非常にデリケートな存在であり、こだわる価値があります。そしてまた、ホテルステイというのは非日常であり、エンターテイメントそのものでもあるのです。

 

同じホテル内であっても、部屋のカテゴリーによってバスルームやベッドのサイズ、調度品の質などに大きな差が有ることが多いです。そして、私は上級会員資格のおかけで客室のアップグレードを受け、非常に嬉しく感じたことが何度もあります。

 

ただ個人的には、無駄にたくさん泊まって最上位ステータスを目指したりする必要までは感じません。そんなことよりも、クレジットカードを持つ程度で簡単に得られるステータスを活用し、享受可能なベネフィットを広げていく、こういったことこそがネット時代の旅行ファンの賢い生き方なのではないかなと、そんなことを思っています。

 

ぜひ皆さんも素敵なホテルステイを楽しんでください。