とある飛行機好きの生活向上ブログ

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中国便の航空券が色々と大変なことになっている件

たった3時間のフライトに15万円、あなたなら出せますか?

 

コロナ禍と航空券


現地採用により中国で働いている私は今年の2月、コロナ騒動の真っ只中、日本から中国に戻ってきました。その後は入国制限により身動きが取れなくなってしまい、現在も北京にて幽閉生活を送っています。


しかしながら、私は近々退職することになっていて居留許可(中国ではビザとほぼ同義)の期限ももうすぐ切れるため、そろそろ帰国の準備をしなければなりません。


ということで、航空券の手配をする必要があるのですが、空席の有無や価格を調べていて自分の顔が青ざめていくのを感じました。端的に言えば、そもそも空席が非常に少ないし、あってもものすごく高いのです。


この数ヶ月間を日本で過ごされた方にはわからない話だと思うのですが、現在国際線の便数というのはものすごく少なくなっています。例えば中国便の場合、「航空会社一社あたり週1往復まで」というルールが適用されているため、ANAもJALも週1往復のみ、具体的には、毎週日曜日にANAが成田-上海浦東便を、毎週木曜日にJALが成田-大連便を飛ばしているのみです。

 

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現在日本人は中国には入国できませんし、逆もまた然りです。ですから、利用するのは基本的には私のように「現地にまだ残っている人」ということになるのですが、中国というのは大都市がいくつもある馬鹿でかい国ですから、未だに現地に留まっている邦人はたくさんいます。需要に対して供給量が全然足りていないのです。


例えば、約1ヶ月後の6月28日(日曜日)のANAの上海浦東-成田便を調べてみればわかりますが、エコノミークラスもビジネスクラスも満席で金額云々の前にそもそも購入ができません。


なお、1週間後の7月5日(日曜日)で検索してみると空席が存在することがわかるのですが、なんとエコノミークラスよりもビジネスクラスの方が安いという理解に苦しむ不思議な状況になっています。(※10:50発の便は当記事執筆時点で6月いっぱいまでの運休が決定。現在週1で飛んでいるのは13:05発の便。)

 

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エコノミークラスに関しては残り1席ということで、これがANAの上海浦東-成田便の片道チケットの最高額ということになるのでしょうが、たった3時間のフライトで15万円とは本当に驚きです。通常時であれば、15万円あれば欧米便の往復航空券が買えますから。

 

武漢チャーター便との差


こんなことを言っても仕方ないわけですが、ほんのちょっとだけ愚痴らせてください。


日本政府が武漢に飛ばしたあのチャーター便との差は一体何なのでしょうか、、、


あの時、日本政府としては当初、ANAの武漢便の片道航空券の標準価格である8万円を利用者に請求する予定だったのですが、一部の国会議員が反対したことにより結果的に全費用を政府が負担することになりました。


当時は私も「8万円」という金額を耳にして、やっぱり片道航空券は高いな、、、などと思ったものです。しかし、現在私の目の前に表示されている金額は15万円、約2倍です。なぜ連中はタダで飛行機に乗って帰ることができ、私たちはこんな異常な額を出さなければならないのでしょうか。というか、この金額を出そうとも、そもそも満席でチケット自体手に入らない可能性すらあります。


何でもかんでも「自己責任」と言って切り捨てられる時代ではありますが、皆それぞれの人生を一生懸命生きているだけで、私だって別に遊び目的で今ここにいるわけではありません。有事ですから仕方がないとは言え、何とも言えない疎外感を感じているのもまた事実です。

 

入国制限の緩和を!


はっきり言って、もうそろそろ限界です。


さすがにそろそろ入国制限を緩和して、日中間の便数も増やすべきだと思います。


過去の記事でコロナ対策に関する私の考えはもう十分に書きましたからここで繰り返すことはしませんが、コロナはそもそも封じ込められるようなものではなく、「共生」以外に道はありません。ですから、マスク着用の徹底、短距離便における機内サービスの撤廃等のできる範囲の対策をした上で、今後は国を跨ぐ人の移動を徐々に許容する必要があります。


多くの日本人が海外に出て現地で働き、その逆も盛んであることにより日本は国際社会における地位を守ることができているのです。ここ数ヶ月、SNSで在外邦人に対するヘイトスピーチをよく見かけます。気持ちがわからないわけではありませんが、我々のようなのがこうやって外でバリバリ働くことにより、日本に引き籠もっている人たちだって間接的に利益を得ているはずなのです。リスペクトしろとは言いませんが、現在のような厳格な入国制限のこれ以上の継続など全くもって現実的ではない、ということだけは理解していただきたいです。さすがにもうそろそろ限界です。

 

終わりに


私はもう随分と長い間海外で単身生活を送っているわけですが、気軽に飛行機に乗って一時帰国をすることができないという状況を今回初めて経験しました。


こんなにまでストレスを感じるとは思ってもみませんでしたし、自分のようなある意味高度に自立したマインドを持った大人が、これほどまで心細く感じるなんて、本当に自分が情けなくなります。


移動の自由が当たり前のものではなかったのだと気付きましたが、それが当たり前である世の中を維持することの大切さも同時に理解した気がします。


私みたいなのがこんな状態ですから、観光目的での海外渡航が再び可能になるのはだいぶ先だと思います。当ブログをチェックしてくださっている皆さんとは「旅好き」という共通項で繋がっているわけで、引き続き事態の推移を見守りつつ、私としては、今後も適宜自分の意見を発信していきたいなと思っています。