とある飛行機好きの生活向上ブログ

台湾在住サラリーマン。2015年にいわゆる「修行」によりANA SFC取得。飛行機や旅行、航空会社のマイレージ会員制度、陸マイラー情報などについて書いていきます。(Twitter: @superflyer2015)

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(パナマ文書 Panama papers)海外在住者なら簡単に節税(脱税?)ができる現実と情報捕捉の難しさ

最近世界では「パナマ文書(Panama papers)」というものが話題になっています。

 

「パナマ文書(Panama papers)」とは?


現在「パナマ文書」と呼ばれているのは、パナマにある法律事務所である「モサック・フォンセカ(Mossack Fonseca)」によって作成された一連の機密文書のことです。文書にはオフショア金融センター(非居住者によって作られた「オフショア会社」に各種サービスを提供している)を利用する21万4千社の企業の、株主や取締役などの情報を含む詳細な情報が書かれているのだとか。

要は、節税(脱税?)のために多くのお金持ちがオフショア会社、つまり税率の低い国にペーパーカンパニーを作り、そちらに本国で稼いだお金を移すということをやっているわけですが、それに関する詳細な情報がリークしたということです。
法律的に違法ではないのだけれど、本国の政府からしたら、本来得られるはずの税収を大きく減らすことに繋がりますから、深刻な問題であるということになるのです。その国で生み出された「利益」が国外に流出してしまうため、富の再分配を著しく阻害することにもなり、やはり倫理的に言えばNG行為だろうと多くの方が考えるのではないでしょうか。

 

富裕層にとって節税は常識?


この問題、どうやら日本ではあまり話題になっていないようなのですが、パナマ文書には世界中の著名な政治家や経営者の名前が載っていて、さらにはなんと公的機関の名前もあるそうですから、「公平な社会が望ましい」という観点から言ったら大問題です。

「みなさん、税金はしっかり納めましょう!」なんて言っている政治家が裏で節税という名の極めて脱税に近いグレーな行為をしていたりなんかするわけですから、本当に人間というのはとことん利己主義な生き物なのだなと思います。

実際のところ、お金持ちの多くは節税に日々力を注いでいます。99%の一般平民は何も知らないのかもしれませんが、ごく一部のお金持ちたちは本当にいろんなことをやっています。会社を作って家族を役員にしたり、仕事以外で使うものまで何でもかんでも経費で落とそうとしたり、わざと自身の給料を低く設定したり、今回問題になっているような、税率の低いタックスヘイブン(租税回避地)にペーパーカンパニーを作ってお金を移したり。他には、株式の売買やFX取引(外国為替証拠金取引)をする際に、外国の銀行や証券会社の口座を使っている人もたくさんいます。

一般平民はいつも貧乏で会社にこき使われるだけ。一部の富裕層は各種のノウハウによりさらにお金が入る、つまり格差が広がりやすいように資本主義社会というのはできているのです。

実際のところ、節税(脱税?)にも知識や頭脳がそれなりに必要です。「海外にペーパーカンパニーを作る」ということを実際に実行できる人間は間違いなくごく一部に限られるでしょう。英語の能力はもちろん必須ですし、情報収集に関する高い能力も必要です。もっとも、日本にある大手の銀行や証券会社の中には、そういった節税に関するアドバイスや手続き代行のサービスを提供し、それによって大きく稼いでいる会社もあるようですが。

とにもかくにも、やはりこういった社会の中で黙って慎ましく生きるのが嫌な人は、賢くなるしかないのかもしれません。全ての人はプレーヤーであり、ルールは共通ですから。

 

海外在住者にとって節税は超簡単


私が現在住んでいる台湾でも、実は節税は簡単にできます。
私の知人の例を挙げて説明してみることにします。

彼はこちらで単身赴任をしているのですが、日本に奥さんと二人の子供がいます。奥さんもフルタイムで働いていて、彼と子供たちの計3人は奥さんの勤め先に被扶養親族として届け出てあります。彼は日本では「無職」ですから、こういったことは可能なのです。また年金に関しても「第三号被保険者」になりますから、彼は一切負担をする必要がありません。

そして実は、彼自身も似たようなことを台湾でやっています。
台湾でも毎年確定申告があるのですが、その際に奥さんと子供たち、さらに自分の父親と義理の父親の計5人を被扶養親族として申請することにより、かなりの額の控除を受けています。台湾の国税局からしたら、彼の奥さんや父親が無職かどうかなど確かめる術はないわけで、戸籍謄本の写しや父親への送金記録(もちろん実際に送金した後で父親から返してもらっているそうです)を提出するだけで、簡単に受理してもらえたそうです。

彼は決して「富裕層」ではありません(失礼な言い方ですみません)。要は、ごくごく普通の人であってもこういったことはけっこうみんなやっているのです。でも実際のところ、彼の奥さんにはまともな収入があり、決して彼が扶養しているわけではありませんし、彼の父親だって再雇用によりまだ収入がありますから、彼は嘘をついて脱税しているわけです。しかも、こういった一連の手続きに関しては、どうやら彼の上司がアドバイスをしたそうで、その会社に努めている外国人はみんなやっているだろうと彼は言っていました。

これにより、台湾政府の税収は減り、公共の福祉に役立てられるはずのお金も減るわけです。さらに上述の通り、彼は日本では年金に関して第三号被保険者になっているわけですが、第三号被保険者の年金を負担しているのは第二号被保険者、つまり厚生年金に加入しているサラリーマンやOLですから、今これを読んでいるあなたがサラリーマンなら、あなたが彼の分の年金を支払っているということになるわけです。

 

国を跨いでの収入の捕捉は不可能!?


こういったことがまかり通っている現状というのはやはりおかしいわけですが、解決は難しいと思います。その理由はなんと言っても、「国を跨いでの収入の捕捉は不可能」であるからです。マイナンバーにより、ようやく国内における収入の捕捉が可能になるかも、という遅々とした状況が現実であり、海外でやったことを知ることなど現状では絶対にできません。

ということで、本人の倫理観に依るところが大きいのかなと。
「やらなきゃ損」と考えるのはあまりにも安直だと思うのです。
「違法じゃないんだから文句言うな!」なんて言う人が増えたら、結局のところ、ルールを増やし、監視社会化が進むことになってしまいます。
「ノブレス・オブリージュ(noblesse oblige)」という美しい価値観がこの世にはあるわけですから、富裕層の方々にはぜひスマートでいてほしいものですね。