とある飛行機好きの生活向上ブログ

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飛行機の座席をアップグレードしてもらうための秘訣

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航空会社の上級会員であれば経験済みの方も少なくないであろういわゆる「インボラアップグレード」。
今回は、アップグレードされやすくなる方法について考えてみたいと思います。

 

インボラアップグレードとは?


まず初めに、そもそも「インボラアップグレード」とは何なのか?という話から始めたいと思います。

 

「インボラ」は「involuntary(インボランタリー)」のことですから、要は「航空会社都合の座席クラスアップグレード」のことです。エコノミークラスからビジネスクラスへのアップグレードが最も一般的かと思います。

 

主な理由は「オーバーブッキング」。航空会社というのは、一般的には直前のキャンセルを見越して若干多めにチケットの販売を行いますから、予想が外れて座席数が足りなくなってしまう場合があるのです。その際には、エコノミークラスのお客さん若干名を上位クラスにアップグレードすることで座席数の帳尻を合わせる、というのが航空会社側にとっては一つの手段となります。

 

アップグレードのタイミングには色々とあるわけですが、よく見かける例としては、搭乗ゲートで搭乗券をスキャンすると「ピー」とアラームが鳴り、その場で別の航空券を渡されます。

 

sfcmiler.hatenablog.com

 

他の可能性としては、チェックイン時に告げられたり、航空会社ラウンジ内にいる時に呼び出しがかかったりといったケースもあるようです。

 

上級会員限定の話なのか?


もしかしたら、今これを読んでくださっている方の中には、「自分は上級会員じゃないから関係ないか、、、」なんて思った人もいるかもしれません。

 

現実的な話として、近年は残席管理のシステムが発達したため、そもそもインボラアップグレードの機会は昔よりもだいぶ減ったそうです。ですから、アップグレードの候補者になる上で、基本的には航空会社のマイレージプログラムにおける上級会員のステータスを持っていることが前提と言えるかと思います。

 

ただ、平会員だと絶対にアップグレードされないのかと言うとそうでもありません。ステータス皆無なのになぜか欧州行きの長距離便でビジネスクラスにアップグレードされた、なんて話は聞いたことがあります。

 

あとは、これは例外なので読者の皆さんにはあまり関係のない話かもしれませんが、先日アップしたこちらの記事で登場した知り合いは、平会員にも関わらず結構な頻度でアップグレードされると言っていました。

 

博士が教えてくれた「頭を良くする方法」 - blacknote

 

カラクリはこうです。彼は元々ANA(全日本空輸)派で、予約時のタイトル(敬称)は「Mr.」でした。平会員ですから、アップグレードされることは一切なかったそうです。しかし、JAL(日本航空)便を利用する機会が訪れた際にタイトル選択欄に「Dr.」があったためそちらを選択したところ、なんといきなりアップグレードされたのだとか。

 

ですから、マイレージプログラムのステータスだけで決まるわけではないというのが現実のようです。ちなみに、悪用はもちろん厳禁です。「医師」か「博士号取得者」でない場合は、素直に「Mr.」か「Ms.」を選択しなければなりません。以前耳にした話では、「ドクターであることがわかる資料を見せて欲しい」とアメリカの空港のチェックインカウンターで言われた方なんかもいるようです。その方は大学の先生で、大学から発行されたIDカードを提示したところその場でアップグレードされたのだとか。

 

他には、平会員の音楽家の方が楽器を持ってチェックインカウンターに向かったところ、アップグレードされたなんていう話も聞いたことがあります。ですから、誰でも比較的容易に得られる上級会員ステータスだけではなく、当人の社会人としての「ステータス」も見られているということなのかもしれません。このあたりの複雑さというか、人間くさい部分というのが本当に面白いなと個人的には思います。

 

TIME誌からの情報


だいぶ前置きが長くなってしまいましたが、最近たまたまTwitterのタイムライン上で、TIME誌の「3 Travel Insiders Share Their Secrets to Scoring First-Class Upgrades」(3人の旅行業界関係者が語るファーストクラスアップグレードのための秘訣)という記事(http://time.com/money/4860170/first-class-upgrades-flights-air-travel/)を目にしました。昨年の7月に書かれた記事ですから、最新情報とまでは言えないかもしれませんが、内容が面白かったので、以下ざっとご紹介したいと思います。

 

「ファーストクラスアップグレード」と書いてありますから、主にアメリカの国内線の話だとは思いますが、国際線なんかにも基本的には応用可能な話だと思います。インボラアップグレードに限定しているわけではなく、「コスパの良いアップグレード」に関する話も含まれています。

 

早めに到着すべし!


記事によると、、、

 

搭乗ゲートへの早めの到着は、アップグレードの可能性を高める。そうすればスタッフと雑談をする時間もたっぷり取れるし、会話の中でアップグレードの可能性を探ることも可能になる。

 

う〜ん、いかにもアメリカの国内線って感じですね(笑)

 

私が色々と情報を集めた感じだと、国際線に関して言えば、「早めの到着」にメリットがあるかどうかは非常に微妙です。早めにチェックインを済ませることによりアップグレードの候補者になる可能性が高まる、といった情報がある反面、ギリギリにチェックインした方が残席がなくなっている可能性が高まりアップグレードされやすい、なんていう話もあります。

 

航空会社のスタッフに優しくすべし!


まあそのままの意味ですが、、、

 

搭乗ゲート担当のスタッフやCAたちはしばしばぞんざいに扱われる傾向がある。乗客全体の中で目立つためにも、航空会社のスタッフたちには進んで親切丁寧な態度で接するべきだ。

 

う〜ん、これもやっぱりアメリカンな話ですね(笑)


でも、こういうソーシャルハッキングに関するテクニック、個人的には大好きです。人間関係全般に応用可能ですしね。

 

ちなみに、こんなことまで書いてあります。

 

ある業界関係者が言うには、彼は普段、スタッフに配るため、5ドル分のスターバックスのギフトカードを何枚も持参しているそうだ。(彼が言うには、彼の父親はスタッフ用にしばしばチョコレートを持参するらしい。)彼曰く、「こういうことはどんどんやった方がいい。結果的に望んだものが手に入るのだから。」。

 

こういうのって賛否両論だとは思いますが、実際の人間関係においてはすごく効果的だと思います。ちょっとしたプレゼントや気遣いで「望んだ結果」が得られることがあったりなかったり、、、(笑)

 

余裕を持った旅程の組み方をすべし!


これも、アメリカの国内線では一般的な話なのかもしれません。

 

搭乗便の変更はアップグレードを得るための鍵になり得る。もし早めに空港に着いたのなら、航空会社のスタッフに、座席条件の良い別便への変更の可能性について聞いてみてはどうだろうか。航空会社はしばしば、別便に変更をしてくれた乗客に対して、各種クーポンや座席のアップグレードを提供するからだ。

 

オーバーブッキングの際に、搭乗便の変更をしてくれるボランティアを募るというのは比較的よくあることのようです。余裕のある旅程の組み方をしておくと、そういった際にお得な選択ができるのかもしれません。ただこの場合、交渉によって得られる待遇が変化するなんていう話も聞きますから、おとなしい方だと十分なベネフィットを引き出せない可能性もあるかもしれません。

 

少額の出費は惜しまずに!


有償アップグレードの話です。

 

出発間際になれば、75ドル追加することでアップグレードを受けられる場合がある。航空会社によっては、1〜2日前にこの交渉が可能になる場合もある。

 

これは比較的よく聞く話で、国際線の場合であっても、チェックインカウンターで有償アップグレードが可能な旨、告知がなされるケースがあるのだとか。お財布と相談をして決めることになるわけですが、普通にその座席クラスのチケットを購入するよりは、だいぶお得であることが多いようです。

 

一つの航空会社に絞って利用すべし!


まあ当たり前ですねこれは。

 

航空会社の上級会員になることにより、アップグレードの可能性は飛躍的に高まる。もちろん、年に何万マイルも飛ぶようなビジネス客の方が有利ではあるが、そうでなくても、一つの航空会社に絞って利用することはアップグレードの可能性を高めるのに役立つだろう。


特に日本人の場合は、比較的簡単に各アライアンスの上級会員になれますから、やはり日本人的にはこれは最低限の努力目標なのかもしれません。

 

陸マイラーとは? - とある飛行機好きの生活向上ブログ

 

まあ陸マイラーになって、サクッと上級会員になれば良いという話ですね。

 

身形を整えるべし!


見た目はいつだって重要です。

 

空の旅の際に身形を整えることは以前ほど難しくはなくなったが、今でもなお、品の良い格好をすることは、アップグレードのチャンスを高めるだろう。誰かをアップグレードせざるを得ない状況になったとして、小汚い感じの人をファーストクラスに乗せるわけにはいかないのだから。

 

荷物を預けるな!


一旦荷物を預け入れてしまうと、別便への変更は難しくなってしまいます。

 

あなたが荷物を預け入れていなければ、航空会社はあなたの席を変更したりアップグレードしたりするのが容易になるでしょう。柔軟性はより多くのベネフィットを生むのです。


機内持ち込みが可能なギリギリのサイズのスーツケース一つで旅をする方は少なくありません。ターンテーブルで荷物が出てくるのを待つ必要もなくなるので、時間の節約にもなりますね。

 

一人で旅をすべし!


これは有名な話ですね。

 

1席のみ空けなければならないケースというのは、2席以上の場合よりもはるかに多い。一人旅であれば、あなたをアップグレードするのは非常に容易になるだろう。最近では上位クラスの空席も非常に少ないわけだから。


これは本当にテッパンですね。例えば、カップルでの旅行であれば、アップグレードする際には二人セットで、かつ隣り合った席で用意する必要があるわけです。国際線ビジネスクラスや国内線ファーストクラスの乗客なんて、隣が空席の座席を当然事前に指定しているわけですから、この縛りは航空会社的にはかなりキツいものになります。3人以上だったりしたらもう論外ですね。お一人様万歳です(笑)

 

taiwanlover.hatenablog.com

 

ということで、TIME誌に載っていた話は以上です。

 

その他


あとは、私が聞いたことのある話だと、「機内食の特別メニューを事前指定するとアップグレードの可能性が消滅する」なんていうものがあります。チェックインカウンターでアップグレードされかけて、「あっ! お客様は特別メニューをご希望ですね。大変失礼いたしました。元のお席を確保させていただきます。」なんて言われた人もいるようです。

 

ただまあ、以上は全て細かいテクニックであって、基本的には、オーバーブッキングであることを前提として、「エリートステータス」と「チケットの予約クラス」で決まるのではないかと思います。

 

エリートステータスに関しては、私の経験上、「自社会員優先」であるケースが多いように思えるので、ANAやJALの上級会員なら無理に他社便に乗ってもあまり意味はないかもしれません。

 

航空券の予約クラス(ブッキングクラス)は非常に重要だと思います。

 

sfcmiler.hatenablog.com

 

海外の一部の航空会社の場合、予約クラスの低い航空券では事前の座席指定すらできません。いくらスターアライアンスゴールド会員やスカイチームエリートプラス会員であっても、そういったチケットではプレミアムエコノミークラスへのアップグレードですら望めないような気がします。通路側の席にしてもらえただけで御の字というか。私の場合、もちろん購入可能な範囲で最も安いチケットを選びますから、わざと高いクラスのチケットを買うようなことはしていません。例えば、出張用に購入したチケットのクラスが低かった際には、純粋に「一切期待をしない」ことにしています。会社によっては、代理店経由で予約クラスの高いチケットを購入するのが慣例になっているところもあるそうですが、本当に羨ましいです。

 

後書き(雑談)


とまあ以上、話は尽きないわけですが、皆さんはどのくらいインボラアップグレードを経験されていますか?

 

ネットで調べてみると、以下のような意見が見つかります。

 

  • 最近は激減した。
  • ANAならダイヤまでいかないとまず無理。
  • そもそもビジネスクラスが有償でほとんど売れてしまっている。

 

とまあ、ネガティブな話が多いのですが、実際のところはどうなのでしょうか。

 

以前、私がミュンヘン空港でルフトハンザの長距離便搭乗時、搭乗ゲートを見ていたらスタッフさんから「良い知らせです」なんて言われている人が結構いて驚きました。ですから、航空会社の運用ポリシーに強く依存した話なのかなと、個人的には思っています。

 

日本の場合、ANAもJALもクレジットカードの所有だけで上級会員資格が維持できるシステムを採用していますから、インボラされる確率が他社よりも低いことは容易に想像可能です。ANA便の搭乗ゲート前で、優先搭乗の列がものすごく長く伸びている様をよく目にします。

 

ただ、かと言って、他社便にすれば良いという話でもありません。例えば、中華航空(チャイナエアライン)を利用した際など、自分は平会員でも中華航空のゴールド会員(ANAのブロンズに相当)の人と一緒に乗るとよくアップグレードしてもらえるのに、自身がスカイチームエリートプラス会員として何回乗ってもダメでした。もちろん、当日の混雑状況次第ではありますが、同一アライアンスとは言え、他社の上級会員を優遇しようという気持ちはさすがにどこの航空会社にもないような気がします。

 

多分、可能性があるとしたら、やはり「上級会員の少ない航空会社」に狙いを定めることでしょうね。まあでも、ANAやJALなんていうのは世界的に見ても非常に優れたエアラインなわけで、それをあえて避けて安全性も劣る他の航空会社を、、、となるかと問われると微妙な気がします。

 

ちなみに、私は現在中国にいるわけですが、とりあえず中国国際航空(エアチャイナ)ではスターアライアンスゴールド会員程度ではインボラはされないと思います。もう何度も日本便に搭乗していますが、ビジネスクラスはいつだって子連れファミリーでいっぱい。この国には富裕層が多過ぎて、もう話になりません。ただ、「中国の富裕層は基本的にエアチャイナを使う」という話を聞いたので、もしかしたら、中国東方航空や中国南方航空なら少しは可能性があるのかもしれません。もっとも、上海経由や広州経由になるので、北京在住の私としては単純に時間の無駄になるわけですが。まあでも、ANAマイルが尽きて有償航空券を買わざるを得なくなった際には、利用を検討するかもしれません。

 

とまあ、趣味の話を始めるとついつい長くなってしまうわけですが、そろそろ筆を置きたいと思います。

 

今日から新しい年度が始まりました。
お互いに、マイルとインボラに恵まれた一年になるといいですね!